何軒もの家づくりを経験してきたA様ご夫妻。
大切にしているのは、家そのものよりも、
その土地の環境。
信頼できる相手と、無理のないやり方で、
納得のいく住まいをつくること。
この家は、そんなA様ご夫妻のとても実直で
現実的な住まい観が、
そのまま形になっています。

Q1:イソダでソーラーサーキットは2棟建てられてるとお聞きしました。イソダとはどのような出会いだったのですか?ご主人:イソダさん以外も合わせると、これまでに家は何軒も建ててきました。それまでは散々、大手メーカーで家づくりをしてきたんですが、「売りっぱなし」みたいな感じのことが多くて。
まぁ、住宅展示場とか、いろいろお金をかけてやってるじゃないですか。だから高くなるのも当たり前かな、と思っちゃったところもありますけどね。結局、メンテナンスのことを考えると、やっぱり地元の工務店のほうがいいかな、と思うようになっていました。
そんなときに、ある方の紹介で「地元ならイソダさんがいいよ」と聞いて、営業の方とお会いしたのがきっかけです。
Q2:イソダ以外の工務店にもアプローチしましたか?ご主人:建てるまでにもう時間もなかったから、たくさんは見てないと思うけど……正直、あんまり覚えてない(笑)。
そんなに深く考えたというより、もう好きか嫌いかみたいな感じでしたね。
Q3:最初にイソダの担当者と会った時はいかがでしたか?ご主人:あんまり覚えてない(笑)。私は、自分で“こういう家が欲しい”っていうのを、だいたい間取りから全部書いちゃうんですよ。図面を描いて、“これで作ってください”って渡すタイプ。
この家もそうです。設計とか間取りとか、だいたい自分で決めて、“これこれ、こういう感じで作ってください”って。構造計算とか、そういう専門的なところは別ですけどね。
Q4:イソダとのやり取りや進め方はいかがでしたか?ご主人:はっきり言って、あんまり記憶にないんですよね(笑)。ただ、土地の条件は結構悪くて、“これ、ほんとに工事できるの?”っていう話はありました。
敷地の反対側にしか通路が取れなかったので、そこを通させてもらえるようにイソダさんが話を通してくれて、結果的に工事ができた、という感じでした。その時の家の次にこの家を建てることになったんですけど、前のときに特に何も不満もなかったし、じゃあここを建てる時にどこにしようかって妻に言ったら、“イソダさんでいいんじゃないの”っていう話になったんですよ。
たしか、アポも取らずに突然行った記憶があります。図面を書いて……“これで建てたいんだけど”みたいな感じで。そういう意味では、イソダさんとは気心が知れてるというか、だいたい分かるんですよ。話が早い。あと真面目。
新しい会社だと、イチから説明しなきゃいけないじゃないですか。どんな会社かも分からないし、それが正直めんどくさい(笑)。時間もかかるし。イソダさんなら住んでみてどうかも分かってるし、どんな家をつくるかもだいたい想像がつく。それとね、はっきり言っていい?私、ソーラーサーキットにそんなにこだわってるわけじゃないんですよ(笑)。どちらかというと妻の方が。
Q5:毎回ご自身で図面を描いちゃうんですね。ご主人:はっきり言うと、家っていうのは家そのものがいいかどうかじゃないんですよ。大事なのは周囲の環境。景色とか、空気感とか。その景色が自分のものっていう感覚の方が大事。
土地を決めるときは、そこはやっぱりこだわりますよ。家の中にいながら、外を見てる時間の方がずっと多い。だから家そのものよりも、その家を取り巻く環境の方が、住む上ではいちばん大事だと思ってます。
Q6:奥様がソーラーサーキットに拘ってらっしゃるんですね。住み心地はいかがですか?奥様:うちは、長い期間家を空けることがあるんですが、何か月ぶりかに帰ってくると、まず空気がきれいなんですよ。締め切った家特有の、あの「むわっ」とした匂いが全然ない。これは、やっぱり換気されているからなんでしょうね。それはソーラーサーキットに限らず、どんなシステムでも同じだと思うんですが、気密性が高い状態を長く保てるかどうか、というのは、家づくりとしてすごく大事なことだと思っています。
その点、イソダさんの家づくりは、ちゃんとしていると思います。壁の中を空気が流れる仕組みっていうのは、やっぱりいいですよね。腐ったり、カビが生えたり、そういうのを防ぐ効果は、間違いなくあると思います。
実際、どこの家でも湿気がこもって、押し入れとか大変になるじゃないですか。でも、ここはそれがあんまりないんです。
あと漆喰とか、こういう素材はやっぱりいいですよね。もう少し厚い方がいいのかもしれないけど、ちゃんと直したり、手を入れたりできるのもいいです。
Q7:素材も含めて、この家はソーラーサーキットの良さがしっかり実感できる構造になっていますよね。
ソーラーサーキットのことは、どのように知ったんですか?奥様:ある本を読んだのがきっかけなんですよ。若い頃から何軒も家を建ててきましたけど、私の中でずっと引っかかってたのが、グラスウールのゴミのことでした。
壊した家の廃材も見てきているので、あのグラスウールの汚さが忘れられなくて、「こんな家の残骸、もう見たくないな」って思ったのが、いちばん最初です。それで、その本を読んでカネカさんの断熱の考え方を知って、「あ、断熱って外側を板で囲うんだ」とか、「中に空気の層をつくって、空気を循環させるんだ」っていう仕組みが、だんだん分かってきました。閉め切ってしばらく家を空けていても、空気がよどまないようにする。そういうことを考えてるんだな、って思いました。
ご主人:ただね、これ、誤解しないでほしいんですけど、「ソーラーサーキットが本当に良かったかどうか」と言われると、正直、それは分からないんですよ。同じ条件で、他の工法の家と並べて建てて比べたわけじゃないですから、「どっちがどう良いか」なんて、分かるはずがない。
だから、ソーラーサーキットがどうこうというより、さっき漆喰の話も出ましたけど、結局は「断熱」と「窓」、このへんがいちばん大事なんだと思っています。
Q8:いつも家のプランはどのように考えられるんですか?ご主人:まぁ家は結局は周りの環境のほうが大事なんですよね。
家の中のことより、外の環境。その土地がどんな場所か、景色がどう開けてるか、隣にどんな家が建ってるか。そこを見て、どこに窓を開けるか、どこから光を取るか、どこを閉じるかを考えます。
やっぱり「光をどうやって取り入れるか」はすごく気にします。天窓もあるし、あそこの上も開いてるんですけど、やっぱり光の入り方は大事。



それから、なるべく仕切りは作らない。ドアも、こういう開き戸はほとんど使わないで、引き戸にしています。普段は全部開けっぱなしにできるから、空間がつながるんですよね。
あと、便利な器具とか設備は、なるべく使う。ここは2階が生活のメインなので、年を取ることを考えて、エレベーターも付けました。乗ったらそのまま段差なしで入れるようにして、車椅子でもそのまま入れる。車庫からも、玄関からも、段差は一切なし。そういうところは、ちゃんと考えます。
そしてお風呂。外から見えないから、わりとオープンにしちゃってます。ここでは本物の露天風呂は無理だけど、できるだけ露天風呂っぽく、全部開けられるような感じにしています。
イソダさんにも、結構苦労かけたと思いますよ。こんな変な形の風呂作るなんて無理だとか、業者さんにはいろいろ言われましたけどね。
でも、結局「やろうと思えばできる」んですよ。ただ、普通はやらないだけ。
Q11:今までの話をお聞きしてると、ほとんどご自分で考えたことをそのまま形にしてるじゃないですか。
イソダだからこその話って、何かあります?ご主人:……正直、あんまりないんですよね。というのも、他の工務店で建ててないから。工務店はイソダさんにしか頼んでないから比較のしようがない。だからイソダさんが「すごく良いのかどうか」っていうのも、実はよくわからない。ただ、少なくとも困ってないです。悪くないから、イソダさんとずっと付き合ってるんだと思うよ(笑)。
ああ、でもうちのプランを「どうやって耐震等級を満たすか」って、相当工夫してくれたみたいですね。ここもさ、下が駐車場で、しかも間口が広いでしょ。1階より2階の方が面積が出てて、ちょっと張り出してる。こういうの、見た目は木造に見えないけど、構造的には結構難しいんですよ。
それでも「考えます、やります」って言って、ちゃんとやってくれた。まあ、頑張ってくれてたんだと思いますよ。でも私は、使い勝手よりデザインとは思わないんです。使い勝手を犠牲にしてまで、デザイン優先っていうのは絶対にやりたくない。
まずは使い勝手。その上で、どうするか、です。
Q12:普通の人はそう何軒も家を建てるわけではないと思いますが、
これから家を建てる人たちに、何か伝えておきたいことはありますか?ご主人:だから環境よ。「どんな家にしたいか」を考える前に、まず「その土地に本当に住みたいのか」をちゃんと考えたほうがいい。
そこが一番大事です。
土地って、そう簡単に買い替えられないじゃないですか。うちは割と簡単にやってますけど(笑)、普通はそんなにできない。
だから土地選びは、ゆっくり慎重にやった方がいいと思うんです。家そのものはね、今は技術が発達してるから、正直、お金さえあれば、どんなものでも作れる。でも、土地の環境は、お金じゃ買えない。
それが一番大事なところだと思います。
取材・文章/服部雄一事務所